遺言書の作成
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大切な人の死によって発生するさまざまな問題。これは実際に大切な方を見送って、それに伴う手続きを経験した方であれば、その大変さを身をもって実感されていることと思います。
亡くなられた方のほとんどは、遺言書を作成されずに亡くなっているのが実情です。遺言書がない場合、故人の財産がどこにどれくらいあるのかわからなかったり、遺産分割協議の場面で相続人同士が連絡を取ることが難しかったり、誰がどの財産を取得するかで相続人同士が揉めてしまったりと、様々な困難な問題に直面します。一方、きちんとした遺言書を準備しておけば、家族が無用な争いをせず、尚且つ楽に手続を完了させることができます。
特にお子さんのいない方の相続の場合、兄弟姉妹が法定相続人になる可能性が高く、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合には、その亡くなった兄弟の子である甥や姪にまで相続権が及ぶことになり、法定相続人が多数にのぼる可能性が高くなります。このようなケースでまず大変になるのが、戸籍の収集です。遺言がない場合、戸籍収集は、故人の出生から死亡までの連続した戸籍を収集して行う必要があるのですが、この出生から死亡までの連続した戸籍を収集する対象が故人だけでなく、故人の父母、そして先に亡くなった兄弟姉妹の分も取り揃えることが必要となります。これらの作業を通じて、兄弟姉妹と甥や姪の法定相続人全員を特定することになるのですが、取得すべき戸籍の量は膨大な数になり、これを一般の方がもれなく収集することは不可能に近いと思います。
さらに大変なのが遺産分割協議です。遺産の名義を変更するには、相続人全員による遺産分割協議が必要です。そして、遺産分割協議書に相続人全員の署名と実印による捺印、並びに相続人全員分の印鑑証明書を取り揃えることが必要になります。
子どものいない方の相続の場合、法定相続人が多数にのぼることが多く、法定相続人が10人以上になるケースもざらにあります。そのような多数の相続人間の遺産分割協議調整は非常に大変で、一人一人に手紙を送ったり、電話をしたりして、相続人全員の遺産分割協議の合意を取り付けていくことは、まさに気の遠くなるような作業です。さらに厄介なのは、故人の配偶者と故人の兄弟姉妹、さらに甥や姪との交流はあまり深くなく、相続人の一部と連絡が取れないなどの事態に遭遇することもざらです。このような中で、遺産分割協議を無事に成立させることがいかに難しいかということは容易に想像いただけると思います。
一方、きちんとした遺言書があれば、このような多数に及ぶ兄弟姉妹、甥や姪との遺産分割協議をすることなく名義変更を完了することができます。
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